新型コロナワクチンの有効性・安全性・副反応等について
新型コロナワクチンの有効性・安全性に関しては,厚生労働省が管轄して情報を発信しております。
「新型コロナワクチンの副反応について」も同ページに掲載されています。
新型コロナワクチンの副反応等について
1・2回目接種
現在,日本で接種が進められている新型コロナワクチンでは,接種後に注射した部分の痛み,疲労,頭痛,筋肉や関節の痛み,寒気,下痢,発熱等がみられることがあります。
こうした症状の大部分は,接種後数日以内に回復しています。


その他のワクチン(ノババックス社が開発中のワクチン等)でもワクチン接種後に,ワクチン接種と因果関係がないものも含めて,接種部位の痛みや,頭痛・倦怠感・筋肉痛等の症状がみられたことが論文等で報告されています。
また,稀な頻度でアナフィラキシー(急性のアレルギー反応)が発生したことが報告されています。
もし,アナフィラキシーが起きたときには,接種会場や医療機関ですぐに治療を行うことになります。
この他、アストラゼネカ社のワクチンでは、稀に珍しいタイプの血栓症が起きるという報告があります。また、ファイザー社及び武田/モデルナ社のワクチンでは、頻度としてはごく稀ですが、心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています。
〇心筋炎や心膜炎について
mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン接種後、頻度としてはごく稀ですが、心筋炎や心膜炎になったという報告がなされています。軽症の場合が多く、心筋炎や心膜炎のリスクがあるとしても、ワクチン接種のメリットの方が大きいと考えられています。
ただし、10代・20代の男性では、武田/モデルナ社のワクチンより,ファイザー社のワクチンの方が,心筋炎や心膜炎が疑われた報告の頻度が低い傾向が見られました。
詳しくは厚生労働省のチラシを御確認ください。
なお,国内の3回目接種後の心筋炎・心膜炎疑いの報告頻度は、現時点において1回目や2回目と比較して高くない状況だと示されています。
また,小児(5~11歳)接種については,令和4年4月1日までに医療機関から1件の心筋炎・心膜炎疑い事例の報告がありましたが、軽快が確認されています。なお、米国における接種後の心筋炎の報告頻度は、5~11歳男性の方が、12~15歳男性及び16~17歳男性と比べて低かったとされています。
〇5~11歳の接種における副反応
5~11歳の接種における副反応には,12歳以上の方と同様,接種部位の痛みや倦怠感,頭痛,発熱等,様々な症状が確認されていますが,殆どが軽度又は中等度であり回復していること,現時点で得られている情報からは,安全性に重大な懸念は認められていないと判断されています。

また,5歳~11歳の接種に用いるファイザー社のワクチンは,デルタ株等に対して,中和抗体価の上昇や発症予防効果が確認されており,オミクロン株に対しても,感染予防効果が期待されています。
オミクロン株に対するエビデンスは必ずしも十分ではありません。新たな知見が得られ次第,速やかにお知らせしてまいります。
11歳以下の子どもは接種の努力義務がありません。接種の効果や副反応等のリスクを十分理解いただいた上で,お子様と一緒にワクチン接種について御検討ください。
<厚生労働省チラシ>
3回目接種
海外の臨床試験の結果では、ファイザー社のワクチン及び武田/モデルナ社のワクチンいずれの場合も、2回目の接種後と比較して有害事象の発現傾向は概ね同様であると確認されていますが、リンパ節の腫れなどについては、初回(1回目・2回目)接種時と比較して、発現割合が高い傾向にあります。心筋炎の報告頻度は2回目接種後よりも3回目接種後の方が低い傾向がみられています。
〇よくあるご質問
Q.武田/モデルナ社のワクチンは副反応が強いと聞いていますが大丈夫ですか。
A.武田/モデルナ社のワクチンにおける3回目接種は,1・2回目接種で用いた量の半量となります。2回目接種後と比較して,発熱や疲労などの接種後の症状が少ないことが報告されています。
<厚生労働省チラシ>
追加(3回目)接種に使用するワクチンのお知らせ(65歳以上の方へ)
<国内における新型コロナワクチンの副反応疑いについて>
厚生労働省では,副反応の考え方や因果関係等に関する情報を取りまとめていますので,御確認ください。
その他の情報についても,厚生労働省のサイトに掲載されています。
厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)
接種後の副反応に関する御相談・医学的知見が必要となる副反応等に係る専門的な相談は下記までお問い合わせください。
<京都府コロナワクチン副反応相談センター>(京都府)
TEL:075-414-5490(受付時間 365日24時間)
※聴覚に障害がある方等,電話でのお問合せが難しい方は,メールまたはFAXを御利用ください。
新型コロナワクチンの有効性・安全性について
日本で接種が行われている新型コロナワクチンは、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また、感染や重症化を予防する効果も確認されています。時間の経過とともに感染予防効果や発症予防効果が徐々に低下する可能性はありますが、重症化予防効果は比較的高く保たれていると報告されています。
1・2回目接種
従来の新型コロナウイルスに対するワクチンの効果は概ね以下のとおりです。

(参考)厚生労働省Q&A https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0011.html
また,オミクロン株に対する効果は以下のとおり示されています。
感染予防効果は、モデルナ社のワクチンを2回接種後14~90日後には44.0%。
発症予防効果は,ファイザー社及びモデルナ社のワクチンを2回目接種から2~4週間後は65~70%であったところ、25週間後には10%程度に低下。
入院予防効果は、ワクチンの種類毎に解析はなされていないものの、2回目接種後25週目以降では44%。米国においては、2回目接種後14~179日で81%、180日以降で57%。
〇5~11歳の接種における効果
ファイザー社のワクチンは、5~11歳の小児においても、デルタ株等に対して、中和抗体価の上昇や発症予防効果が確認されています。
オミクロン株に対しては、ファイザー社のワクチンにおける感染予防効果は、5~11歳では2回接種後14~82日後で31%、12~15歳では2回接種後14~149日後で59%という報告があり、一定の効果が期待されています。また、オミクロン株に対する発症予防効果や入院予防効果等も、同様に効果が期待されています。
11歳以下の子どもは接種の努力義務がありません。接種の効果や副反応等のリスクを十分理解いただいた上で,お子様と一緒にワクチン接種について御検討ください。
3回目接種
1・2回目接種後,ワクチンの効果は時間の経過とともに低下していきますが,18歳以上では,3回目の接種を行うことにより,オミクロン株に対する感染予防効果や発症予防効果,入院予防効果が回復すると報告されています。
16~17歳の方を対象とした研究結果では,オミクロン株流行期において,ワクチンの2回目接種後は,未接種の方と比べて,新型コロナ感染症のような症状のための救急外来の受診を34%減少させ,ワクチンの3回目接種後は,同様の救急外来の受診を81%減少させる効果があったことが報告されています。
60歳以上で追加接種を受けた場合では、追加接種を受けなかった場合と比較して、感染例の発生率が11.3分の1、重症例の発生率が19.5分の1であったとの報告もあります。
(参考)厚生労働省Q&A https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0097.html
〇よくあるご質問
Q.ファイザー社と武田/モデルナ社のワクチンの効果に差はありますか。
A.1・2回目の接種では,ファイザー社と武田/モデルナ社のいずれも,2回目接種から約半年後も高い重症化予防効果(※)が維持されています。
ファイザー社と武田/モデルナ社のワクチンの1・2回目接種の効果を約半年間比較した観察研究では,武田/モデルナ社のワクチンの方が,感染予防,発症予防,重症化予防(※)の効果が有意に高かったと報告されています。
(※)重症化予防には入院予防を含む
<厚生労働省チラシ>
<首相官邸チラシ>
新型コロナワクチンの有効性・安全性について
〇ワクチンごとの情報
【薬事承認され,予防接種法に基づいて接種できるワクチン】
・ファイザー社の新型コロナワクチン
・武田/モデルナ社の新型コロナワクチン
・アストラゼネカ社の新型コロナワクチン
※ファイザー社及び武田/モデルナ社ワクチンの有効期限について
令和4年4月22日時点で,ファイザー社ワクチン(12 歳以上用及び 5~11 歳用)の有効期間は 12 か月,武田/モデルナ社ワクチンの有効期間は9か月となっています。
一部,延長前の有効期間を前提として,有効期限が印字されているバイアル及びワクチンシール(被接種者に渡される接種済証に貼用されるシール)等がありますが,以下の表にて示される「接種に活用して差しつかえない期限」内であれば品質は保たれております。
詳しくは厚生労働省の資料を御確認ください。
【薬事承認されたワクチン】
・武田薬品工業株式会社の新型コロナワクチン
【薬事承認申請されたワクチン】
・ジョンソン・エンド・ジョンソン社(ヤンセンファーマ社)の新型コロナワクチン
〇安全性の評価について
【接種開始後の安全性の評価】
国では,国内での接種開始後には,次のような方法で安全性についての情報を収集し,速やかに国民の皆さまに提供することになっています。
・接種を受けた者への健康調査
・副反応疑い報告と審議会での評価
・予防接種後健康状況調査
【臨床試験での安全性の評価】
ワクチンの開発に当たって,国内外での臨床試験で接種後に生じた様々な事象(症状,疾病等)の件数や頻度は,薬事審査の際に審査され,添付文書等に記載されます。
〇有効性の評価について
【臨床試験での有効性の評価】
ワクチンの効果は,健康な方や患者の方に協力してもらい,実際に人にワクチンを投与する臨床試験で確認します。
詳しくは厚生労働省のページを御確認ください。
厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)